A DEABETIC LIFE− 糖尿病の治療(2) 食餌療法 − |
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■2型糖尿病患者の食習慣 | ■2型糖尿病患者の食事 | ||
■単位というもの | ■食品交換表 | ||
■空腹の紛らわし方 | ■民間療法は毒 | ||
■食事を作る方へ(お願い) | ■飲食店・食品加工会社へ(お願い) | ||
■2型糖尿病患者の食習慣 | |||
2型糖尿病患者には肥満体の方、もしくは肥満体に近い方が多くいらっしゃいます。糖尿病の因子を持っていても生活習慣(特に食習慣)がしっかりとしていれば、肥満体になることも糖尿病が発病することもないことがほとんどですが、2型糖尿病患者の肥満体というのは食習慣の乱れが主な原因となっています。 つまり太っているから2型糖尿病になるのではなく、2型糖尿病患者に太っている人が多い、ということになります(痩せていても2型糖尿病になります)。 こうした2型糖尿病患者の食事には次のような特徴があります。 (1)ドカ食いをする(量が多い) 量が多いと、1日の活動に必要なカロリー(必須カロリー)を明らかにオーバーします。許容量を超えたカロリーはエネルギーではなく体脂肪として体内に蓄積されます。体脂肪はこれを溜める細胞(脂肪細胞)に貯蔵されますが、脂肪細胞は元の大きさの千倍以上にまで膨れ上がって脂肪を溜め込んで行きます。これが肥満の原因です。 蓄積された体脂肪を主に使う場所は筋肉ですが、肥満体の人は運動を嫌い筋肉が落ちる傾向がありますので、体脂肪が燃えにくくなり、更に肥満は加速します。 そして脂肪細胞が膨れ上がった状態が長く続くと、身体は肥満体であることが普通になってしまい、蓄積した脂肪を使うことを嫌がります。こうなると痩せにくい体質になります。 (2)高カロリー食を好む これも典型的な必須カロリーオーバーです。高カロリー食には美味しいものが多いのでつい食べ過ぎてしまいます。例えば「ラーメンライスに餃子」という食事は1,000kcalを優に超えています。また炭水化物と脂質がこのカロリーを構成するメインの物質になりますので、栄養バランスも悪く、また血糖値を急上昇させる特徴もあります。「焼肉に丼飯」という食事も軽く1,000kcalをオーバーします。 時々なら美味しく食べられるこうした高カロリー食も、日々続くとカロリー過多になります。後は量が多い場合と同様の結果になります。 ちなみに身長に大きく関わってくる必須カロリー(身長が高いほど多くのカロリーを必要とします)ですが、身長187cmと通常よりも随分高い私ですら2,000kcal以下です。一食当たり600〜700kcalが適正なカロリーとなるのです。ですから1,000kcalという食事がどれほどの高カロリー食かがお分かりいただけると思います。 (3)食べるのが早い 食べるのが早いと、脳の満腹中枢が「お腹が一杯だよ」という信号を出す前に胃袋が一杯になってしまいます。脳からお腹が一杯という信号が出ていない以上、身体は胃袋が一杯になっていても「お腹が空いている」と勘違いして食欲が止まらない状態でいます。結局胃袋の許容量を超える食事をしてしまうことになります。 こうしたことを続けていくと、胃がどんどん広がり、許容量が増えます。許容量が増えた分はお腹が一杯であると感じることが遅れることになり、また食べてしまいます。 (4)酒を飲む お酒は高カロリー食品であり、嗜好品です。 つまり糖尿病患者にとって、酒は「飲んだら食うな・食うなら飲むな」という交通標語のようなものとなってしまうのです。 よく「焼酎だからカロリーは低い」とか「日本酒はカロリーが高いけれどビールは大丈夫」とか言う人がいますが、これは大きな間違い。何故ならアルコールというものは体内に取り込まれた時に糖質に変化するからです。血中の糖質を増加させることは糖尿病患者にとって自殺行為とも取れる行動ですから、アルコールを摂取しないでいられるのならばその方が懸命です。 ただ、私自身も酒が大好きですし人並み以上に飲めるクチなので良く解るのですが、酒は人生や人間関係の潤滑油です。飲まずにいられない状況になるケースも少なくありません。こうした場合、酒をどのくらい飲んだら何kcalになるのか計算し、酒の肴のカロリーと併せて総カロリーを計算し、自分の必須カロリー以上になりそうであればその時点で烏龍茶などに切り替え、酒の肴を食べることも止めるという自制心が必要です。 ちなみに酒のカロリーは意外と高いので、少量しか飲めないと覚悟してください。 私は酒を飲むくらいならその分のカロリーを食事に回したいので、糖尿病と診断されてからは一滴も飲んでいません。上司も体調を気遣ってくれ、仕事上の宴席に参加しなくてもいいように防波堤になってくれています。こうした周囲への根回しも必要になります。 (5)甘いものやお菓子が好き お酒と同様、甘いものも菓子類も高カロリー食品であり、嗜好品です。 甘いものやスナック菓子などをコンビニで見かけた時、一度カロリー表示を見てください。あまりのカロリーの高さに驚くと思います。 よく「甘いものは別腹」と言いますが、糖尿病患者にとっては甘いもの菓子類も「食事」と思ってください。つまり飲み食いするものは例えそれが何であろうと食事になります。間食も食事です。 「食事」で摂ることができる総カロリー数は決まっています。これを超えて食べることはご法度ですから、甘いものを食べたらそのカロリー分は何処かで引かなくてはなりません。 そうは言っても、酒を飲んだりお菓子を食べたりしたいのが人間です。たまには総カロリーを超える食事もしたくなります。もし昼食に友達と食後のデザートでケーキを食べたとしたら、夕食はいつもの半分くらいの量に抑えるなどして自分でしっかりコントロールしましょう。 (6)不規則な時間に食事をする 不規則な時間にする食事は、代謝の乱れを引き起こし、体脂肪を溜め込む原因となります。要は脂肪が代謝されにくくなり蓄積されているのにも関わらず食事をするということにつながり、肥満体になるということです。 どうしても不規則な時間に食べなければならない場合は、量を減らしたり低カロリーな食事を心がけたりして、代謝の乱れに気遣う必要があります。 (7)1日1〜2食の時もあれば、4〜5食の時もある 食事は1日3食です。これが人間にとって最もバランスのいい食事回数なのです。 では1日1〜2食なら総カロリーが少なくていいのでしょうか?その答えは「否」です。食事を抜くと、たとえ体脂肪が蓄積されていても身体はエネルギー不足状態に陥ります。この状態が長く長く続けば体脂肪をエネルギーにしてくれますが、1食抜いたからと言ってもそうはなりません。エネルギーが不足していると勘違いしている身体に食事を与えると、身体はいつも以上に食事からエネルギーへと変換させようとします。しかしエネルギー生産が過多になったとしてもそのエネルギーを燃やす量に変化はないので、結局大量のエネルギーが余り、体脂肪に再変換されて蓄積されます。 ダイエットの為に食事を抜く、というのは非常に愚かな行為だと言わざるを得ません。本当に痩せたいのならば必須カロリーを守ったバランスの良い食事を1日3回しっかり摂るべきです。また逆に極端に食べないようにして体脂肪をエネルギーへと変換させようとすると、ビタミンやミネラルの不足を招きます。栄養失調となった身体は異常をきたします。 今度は食事の回数が多い場合です。妊婦さんなど2人分の栄養を摂らないといけない場合や一度に多くの量が食べられないために回数を増やして食べる場合は別ですが、回数が多いということは当然カロリー過多の傾向にあると言わざるを得ません。 総カロリーをきっちり守っての回数の多い食事はいいですが、通常の食事(大抵は600〜800kcal)を4回摂れば2,400〜3,200kcalを1日で摂取してしまい、明らかにカロリーオーバーとなります。 |
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■2型糖尿病患者の食事 | |||
糖尿病にかかると、まず最初に「栄養指導」というものを病院で受けます。栄養士さんが「あなたの必須カロリーはどのくらいで、その食事はこうしなさい」ということを個別に指導してくれるものです。 ここで必ず言われるのが「食品交換表」のことです。食品交換表のことは別の項で詳しく解説していますので、そちらを見てください。 この食品交換表では何を言いたいのか、ということですが、それは次の3点だけです。 (1)食べ過ぎない ここで言う食べ過ぎとは、必須カロリーのオーバーのことであり、決して患者の感じ方の問題ではありません。よく勘違いして「お腹が空いているからまだ食べ過ぎていない」と言ってはもうひと口食べてしまう人がいるようですが、明らかにこれは間違いです。 あなたの必須カロリーは「糖尿病の自覚症状」でもご紹介している簡単な計算で求めることができます。それが1日の総カロリーとなり、それ以上は飲み食いしてはならないのです。また酒や菓子も「食事」として見なされますから、別腹という概念は捨ててください。 (2)食事を規則的に摂る 毎日の人間のリズムは人それぞれですが、身体はそのリズムを覚え、そのリズムに合わせて身体を維持します。もしリズムが乱れると代謝のリズムも乱れます。代謝の乱れはインシュリン分泌の量やタイミングに影響を及ぼすので、血糖値の乱れを引き起こします。 食事の時間、回数、量をなるべく毎日一定にすることが、この規則的な食事ということになります。 (3)栄養バランスを考慮する 食品交換表で最も重要な事項です。食品交換表は6つの食品群から構成されますが、この食品群のどれかひとつでも欠けるような食事は「悪い食事」とされます。 糖質や脂質の多い食事はもちろんいけませんが、少なくてもいけません。糖質、脂質、ビタミン、ミネラル、カルシウムなどが適度にバランスが取れている食事が「良い食事」なのです。この栄養バランスを取るために使われるのが食品交換表と言っても過言ではありません。 |
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■単位というもの | |||
糖尿病患者の食事は、すべて単位というもので数えます。1単位は80kcalです。 例えば「ラーメンライスと餃子」という食事の場合、醤油ラーメン(アッサリ系)は約550kcal、ライスは小さな茶碗に一杯だから200kcal、餃子は400kcalなどといちいちカロリー数を覚えるようなことをしていては食事の節制が長続きせず、食習慣が元に戻ってしまいます。これでは治療が続けられません。 このため、単位というものでこのメニューを分析すると、 ・ラーメンの麺は一人前が3単位半くらい ・ラーメンの汁は油分が入っているから1単位 ・ラーメンのトッピングのチャーシューは3枚で2単位 ・ラーメンのその他のトッピングであるメンマ、海苔、ネギは0単位 ・ライスは小さな茶碗に一杯だから2単位半くらい ・餃子5個の皮は1単位 ・餃子5個の中身は3単位 ・餃子は油を引いて焼くから+1単位 ・合計14単位 このようになり、約1,120kcalということになります。本当は1,150kcalあるのですが、見当はずれではありません。こうして分析することの方が面倒だと思うかもしれませんが、例えばこのメニューが「ご飯と味噌汁、焼き秋刀魚に大根おろし、里芋の煮付け」に替わった場合、あなたはカロリー計算ができるでしょうか? 単位での計算なら、次のようになります。 ・ご飯は普通の茶碗に一杯だから3単位 ・味噌汁は具の有無や種類に関わらず無条件で1単位 ・秋刀魚は一匹を油を使わずに網焼きにしてあるので2単位 ・大根おろしは0単位 ・里芋は一人分だから1単位 ・煮付けるのに砂糖を使っているから+1単位 ・合計8単位 となり、約640kcalであろうと推測できる訳です。 1単位(80kcal)に当たる量は食材によって違いますが、一度覚えてしまえば後は感覚でいけます。ご飯1単位がどのくらいの量か、うどん1単位はどのくらいの量だから一人前(一玉)は何単位か、油の乗った魚は2単位だけれど今日はイワシ一匹だから1単位だ、などの感覚を掴んで、あとは「適当」に計算すればいいのです。 油を使って揚げたり焼いたり炒めたりしていれば+1単位、衣をつけて揚げたり焼いたりしていれば衣の分で+1単位、煮付けるのに砂糖を使っていれば+1単位、という適当な計算で、今目の前にある食事が何単位なのかを推し量ることができるようになるのです。間違っていたとしても、大局的に見ればあながち大きな違いにはならないはず、というのがこの単位の考え方です。 食材によって1単位がどのくらいの分量になるのかをカラー写真や実物大写真などで紹介する本も\1,000くらいで売られています。こういった本をササッと見るだけでも大体のカロリー計算がこなせるようになりますので、糖尿病患者は早いうちにこの感覚を掴んでおきましょう。 前出のラーメンライス+餃子というメニューを食べる時もこの単位を使います。 1食に私は8単位まで食べてもいい計算(1日総カロリー数1,920kcal÷3食÷80kcal=8単位)なので、ラーメンの麺は完食(+3.5)、汁は飲まない(+0.5)、チャーシューは1枚にする(+1)、チャーシュー以外のトッピングは完食(+0)、ライスは半分くらい(+1)、餃子は2個(+2)、となり、合計8単位という形に調節するのです。とっても適当な計算をしていますが、これでおよそ合っているはずです。 もし餃子をもう1個食べてしまったら、このラーメンライス+餃子が昼食ならば、夕食からは1単位引きます。もし夕食でラーメンライス+餃子とした場合、朝食・昼食ともに8単位を摂っていたのならば餃子はこれ以上食べてはならない訳です。 最後に、麻雀をする方はお解りかと思いますが「リーツモタンピンドライチ」で満貫になりますね。単位計算はあんな感じで行ないます。自分は満貫で一杯なのかそれとも跳満まで大丈夫なのかを把握しておき、食べようとしているものを指を折って数えていけばいいのです。私は跳満〜倍満が限度ですから、数えていってコレをオーバーしていたら食事量を減らしたり別のメニューに換えたりしています。 こうしたゲーム感覚というか、遊び感覚を取り入れることで、長い長い食餌療法を乗り切って生きていきましょう。 |
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■食品交換表 | |||
まずは下記の図を見てください。これが「食品交換表」です。 | |||
この表を元にして、毎回の食事の中になるべく1〜6の全てが含まれている食事を摂ることが栄養のバランスが取れた食事をすることになります。 欄外の「上記1〜6のグループに含まれない食品」という中でも、特にアルコール類と菓子類は糖尿病食には好ましくない食事に分類されています。いくら好きでもここで総カロリーの大半を占めるようなことをすると1〜5の食品は食べられなくなります。 また、一食当たりに許されている単位のうち、その半分の単位は主食であるごはん、パン、麺類などで占めるようにして、便の量が一定になるようにしてください。便の量のコントロールも減量には非常に大切なのです。 食品交換表は、この表を見て、毎日食材を交換しよう、ということから名付けられています。つまり「朝食ではトースト・目玉焼き・牛乳・野菜サラダ・イチゴだったから、昼食はトーストをご飯に、目玉焼きをカレイの煮付けに、牛乳をヨーグルトに、野菜サラダをほうれん草のおひたしに、イチゴをりんごに交換しよう」というように、同じ番号の食品群同士で食材を交換するためのものです。また別の番号の食品群同士では交換ができません。 このようになるべく各食品群をバランスよく食べることで、栄養バランスの整った食事をすることになり、ひいては血糖値を安定させるようになっていきます。 お肉が好きだからと、総カロリーの範囲内で肉ばかり食べていると、栄養のバランスが崩れて栄養失調になりますし、肉はコレステロール値が高いので血中コレステロールが上がり、動脈硬化への道をたどることになります。 |
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■空腹の紛らわし方 | |||
今まで食べていた量よりもかなり減らさなければならなくなるのが、糖尿病食のつらいところです。どうしてもお腹が空いて我慢できなくなります。 油を使う量も減ってしまうので、腹持ちも悪くなり、これに拍車をかけます。 こうした場合、次の様な方法で紛らわすようにします。 (1)いくら食べてもいい食材をお腹一杯食べる ・コンニャク(シラタキ) ※蒟蒻ゼリーは不可 ・キノコ ・海藻 ・寒天(ところ天) ・野菜 ※芋、根菜類、南瓜、豆、蓮根などを除く葉物野菜のこと これらはいくら食べても0単位として計算します。つまりどれだけ食べてもいいということです。 ただし調理方法には要注意。キノコをバター炒めにしたらバターの脂肪分があるのでNG。ところ天に黒蜜をかけると糖分があるのでNG。野菜サラダにドレッシングをかけると脂肪分があるのでNGになります。 また糖尿病患者は血圧を上げてしまうと合併症を引き起こしてしまうので、塩分の量も規制されているのが普通です(私のように年齢が若い場合は制限はされますが、あまりうるさくは言われません)。このため、単純に醤油、味噌、塩を使うと塩分過多となります。このため薄味に慣れる必要も出てきます。 私がよく食べるのは、たっぷりのエノキ茸を出汁と僅かな醤油で煮たすまし汁です。砂糖は一切使わないのでカロリーはゼロに限りなく近い訳です。 (2)ガムを噛む 最近は便利になって、ガムがボトルで売られています。これはシュガーレスガムであれば、大きなボトルを1瓶噛んでも130kcalくらいです。1日で1瓶ということは有り得ないので、ほとんど0単位として見てもいいのではないか?と思われます。 大切なのはシュガーレスガムであること。甘くても人工甘味料なので血糖値を上昇させることもありません。 (3)おしゃぶり昆布、酢昆布を食べる これは塩分を厳しく規制されている人にはお勧めできません。しかしガムと同様に咀嚼(噛む)という行為は脳の満腹中枢を刺激するので、お腹が空きにくくなります。また嚥下(飲み込む)という行為がこれに加わる昆布を使った加工食品は、より満足度を高めます。 (4)カロリーのない飲み物を飲む できれば緑茶、コーヒー、烏龍茶などのカフェインがたくさん入っているものよりも、紅茶やジャワティーなどのようにカフェインが少ないものを飲むようにしたほうが胃の為にいいです。カロリーゼロのドリンクが売られていますが、甘味は余計に喉の乾きを誘うので避けたほうが無難でしょう。 当然、お茶に砂糖を入れたりガムシロップを入れたりするのはNGです。 |
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■民間療法は毒 | |||
「○○は糖尿病に効く」「○○は血糖値を下げる」「○○を食べて(飲んで)血糖値が正常になった!」などの詐欺まがいの広告を掲げている健康食品があります。当然、これらのキャッチフレーズのほとんどが嘘です。 慢性疾患である糖尿病は治りません。またインシュリン分泌を促したり、インシュリンの効きを良くしたりする食品はあるにはあるのでしょうが、わざわざ高いお金を出して買わずとも薬物治療で対処できます。 また民間療法として聞かれる「○○は糖尿病にいい」というものもあります。しかしこれもあくまで民間療法で、科学的な根拠は何一つありません。 例えば「ピーナッツは糖尿病にいい」という話があります。しかしピーナッツ(落花生含む)には多量の油が含まれています。ピーナッツをフードプロセッサーやすり鉢で細かくすると解りますが、ピーナツバターになります。この粘りは油分によるものです。 同様に胡麻にも大量の油分が含まれています(胡麻油を搾り取れるほどに)ので、「胡麻は糖尿病にいい」というのも嘘なのです。。 「カフェインは血糖値を下げるのでコーヒーを飲むといい」という話も聞いたことがあります。しかしカフェインにそのような作用はありませんし、逆にカフェインは多量に摂ると胃を傷めますし、尿の回数も増やしますし、実はインシュリンの感受性を低くして血糖値を上げてしまうという効果も確認されています。ただし糖尿病患者でない人がコーヒーを多飲した場合、糖尿病の予防効果が高まったというデータもあるので(科学的裏づけは取れていません)一概には言えませんが…。 ピーナッツや胡麻、コーヒーを飲み食いしてはいけない、ということではなく、糖尿病に効く、ということは嘘なので量を守った摂取をすればいいのです。 平日昼間にオンエアしているみ○もんたの番組や、日曜夜にオンエアしているヒ○ミとマチャ○キの番組で「○○が身体にいい」と言うと、小売店の店頭からその商品が消えるそうです。こうした番組に洗脳されやすい人は、こうした詐欺広告や民間療法に騙されて病状を悪化させることのないよう、特に気をつける必要があります。 |
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■食事を作る方へ(お願い) | |||
ご家族に糖尿病患者のいるお宅で、そのお宅の食事を作る方にお願いがあります。 糖尿病患者、特に2型糖尿病患者は、治療のために少量の食事で満足しなければなりません。単なるダイエットと違い、この食事一食一食には命が掛かっていると言っても過言ではありません。 食事を作ることはとても大変なことだと思います。それも毎日毎日…。 しかし、いくら面倒だからと言って食品交換表を無視したり、一日の許容総カロリーをオーバーするような食事を作ったりしていると、糖尿病患者は病状が回復しません。下手をすると悪化し、合併症への道を突き進むことにもなりかねないのです。 ですから、面倒であっても、次の点を心掛けて食事を作っていただきたいのです。 ・食品交換表に照らし合わせ、バランスの良い食事を作ってください。 ・総カロリー(単位数)を守って盛り付けてください。 ・患者と同じように単位計算が目で見てできるようになってください。 ・砂糖や油を使わなくてもいい場合はなるべく使わないでください。 ・砂糖や油の量は極限まで減らし、使わなくてもいい工夫をしてください。 ・テレビ等で身体にいいと言っていたものばかりを出さないでください。 ・たまにはカロリーが高くても好物を作ってください。 ・患者が「美味い!」と言って食べる味で出してください。 特に最後のお願いが一番大切かもしれません。 例えば海藻やキノコはたくさん食べてもいいからと、酢の物や素焼きで出されても、少量でたまになら美味しいのですが、大量で毎日になると飽きます。飽きると美味しいと思わなくなります。美味しいと思わないものや、本人が不味いと思う味付けでの食事は、食べることを我慢している糖尿病患者にとって大変苦しいものになります。 苦しいものになった食事では、今後死ぬまで続く食餌療法に耐えられません。 糖尿病患者は自分の命を守るため、節制をし、自分でカロリーコントロールをしていかなければならないのです。少量の食事でも、美味しい物を味わってゆっくりと楽しんで食べたいと思うことは、最後の食の楽しみとも言えるのです。 糖尿病患者だって、カツ丼や天丼、焼肉やステーキを思う存分食べたいのですが、それを必死の思いで我慢しています。こうした美味しい物を食べたいと思う時に食べたいだけ食べることができなくなってしまったということは、その原因が患者自身にある自業自得のことだとしても、つらいものです。 例えば焼肉のタレのCMで、美味そうな肉をたっぷりのタレで焼き、それを丼飯の上に乗せてガツガツと食べるものがあります。糖尿病患者にとっては、あのCMは目の毒でしかないのです。そうしたつらさを和らげるには、同じ肉でも上質の脂身やサシ(霜降り)の少ない肉を量を守った上で薄味で上品に焼いて、美しい皿に盛り付けて出してもらえるだけでも随分違います。こうした「少量でも美味しく食べられる工夫」をしていただきたい、と思います。 |
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■飲食店・食品加工会社へ(お願い) | |||
もし飲食店を経営されている方や、食品加工会社へお勤めの方がこの項を読んで下さっていればいいなと願いつつ、そうした方々へお願いがあります。 糖尿病患者が食事にかなりの制限を受けることはこのページ全体を読んでいただければお解りいただけると思います。 私は初診以来、外食をしなければならない機会が3回ありました。この内の1回は確信犯としてカロリー計算を無視してカツ丼を食べたのですが、あとの2回は「なるべくカロリーが低くてお腹に溜まってなおかつ自分でもある程度の食事量が選択できるところ」という選択肢の中で飲食店を選ぶことになりました。 最初に選んだのは吉野家。既に牛丼がなくなっている時でしたのでメニューの中で一番低カロリーでありそうなものとして「鮭イクラ丼」を注文しました(後で知ったのですが、イクラは意外と高カロリーでした…)。 次に選んだのは回転寿司。この頃にはもうある程度の単位計算ができるようになっていたので「タコ・イカ・エビなどの低カロリーなネタを中心に7皿と味噌汁」と、少々カロリーオーバー気味に食べました。病気と診断される前からよく行っていた回転寿司ですが、その頃は普通に12〜15皿は食べられましたから、量は半分程度に減ったということになります。 こうした時に思ったのですが、カロリー表示がされていない不便さ、でした。 一部のファミリーレストランなどではメニューにカロリー表示をしているところもありますが、ほとんどの飲食店では表示していません。 高カロリーなメニューが出にくくなることを恐れてのことなのでしょうが、これは糖尿病患者にとっては大変不便なものです。 もしカロリー表示がされていれば、患者が外食をするときに、自分の食べたい物を食べることができるかどうか、またどのくらい残せば1食当たりのカロリー内に収めることができるのか、容易に計算できるのです。 これからの世の中はどんどん健康志向に走っていくと思われます。そうした時にカロリー表示がされていた方が本当に客のためになると思いませんでしょうか? 美味しいもの、安全なものを客に提供したいという志で飲食店を経営されている方も大勢いらっしゃると思います。そうした方にお願いです。なるべくカロリー表示をしてください。もしもカロリー表示をすることで高カロリーなメニューが敬遠されることが嫌だという方は単位表示でもいいのです(単位は糖尿病患者じゃないと知らないでしょうから…)。お客さんがカロリーを気にして食事をするようになっていけば、糖尿病になる人の割合が減るはず。そうすれば美味しいものを思う存分食べることができる人が増え、外食産業全体が賑わうと推測します。 次に、食品加工会社を経営されている方々にお願いです。 スーパー、コンビニなどで買える加工食品のほとんどに、今はカロリー表示がされています。しかしその表示がないものも当然あります。 今、私はコンビニで買い物をする時には食品の場合は必ずカロリー表示を見て買うようにしています。カロリー表示のない食品は買いません。何単位か解らないものを口にすることができない身体だからです。 スナック菓子でもカロリー表示をしてある商品がどんどん売れています。ポテト○ップスやプリング○スなどは物凄い高カロリーにも関わらず…です。コンビニのお弁当だってカロリー表示がされています。つまりカロリー表示の有無が売上に響かないということの表れであると思います。 ですから、全部の食品にカロリー表示をしてください。糖尿病患者にとってはその表示があれば計算内に含めることができますが、表示がなければ計算外、つまり食べたくても飲みたくても買うことができないものになってしまうのです。 糖尿病患者になってからではないと解らないこの不便さを、飲食店や食品加工会社の方はぜひご存知いただきたいと思います。 |
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